●シルスマリアFEX谷ハイキングと馬車●  エンガディン地方ではポントレジナからロゼック谷の馬車が有名だ。私も乗った事がある。  日本での馬車は、と言えば温泉地なんかで、さして面白くない所を料金だけは高く時間は短く、ま、実用というよりは遊園地のアトラクションと思って方 がよかった。  ところが、ロゼックの馬車は料金は安く、時間は長く、景色は良く・・・と、とても気持ちの良いものでした。これに味をしめて、ここシルスマリアでも運行しているという馬車に乗ろうというのが今日の一つの目的。  前日の夕食時、ホテルの人に聞いてみる。どうやら、馬車は定期便と予約便があるようだ。私たちはハイキングの帰路に馬車を利用したいので、予約は時間の都合で難しそう。定期便の時間を聞いて、なんとかそれに間に合わせようと計画した。  では、いよいよ出発。  8時過ぎのシルスマリアは未だひんやりとしていて、やや厚手の長袖が丁度よい。閑散とした小さな街を通り抜けロープウエイ乗り場に向かう。まだ、時間が早いので人はほとんどいない。  ほとんど貸切り状態のロープウエイで風景を楽しみながら上駅Furtschellas Mittelstation へ。ここからはハイキングコースがたくさんある。コルバッチュ・ロープウエイの途中駅へのルート、Sgrischus 湖へ登るルート、そのままシルス方面に下るル ート。  そして、今日の私たちのルートであるシルスマリアの奥へ延びるFex 谷の谷奥へ降りるルート。このルートも私達の得意な<ロープウエイで登って足で降りてくる>ルートであり、殆どが下りの筈だ。  ハイキング道は森林限界より上にあり草花だけなので眺めがよい。Segl湖や対岸の山々、宿泊しているバルトハウスも立派に見える。マーモットの穴らしものもここそこにあるが、残念ながらマーモットの姿は見えない。  少し前に女性が1名歩いていたが、いつの間にか見えなくなってしまった。違ったコースに向かったのであろうか?  Marumoreという分岐点で思案。ルート案内の看板が出ているが、同じ目的地でもルートが幾つもあるので分かりにくい。地図と風景を見比べながら歩いていくが、少し違うコースに入ってしまったようだ。  Marumoreに戻り、ルートを変更。しばらく強引に下った後、本道にでる。後は谷にそって、この山の中腹を奥に下って行くだけだ。  何箇所かの沢を難なく越え、高度を下げてくると谷の一般道には何台かの馬車が谷奥のホテルに向かっている。あの馬車の帰りを狙おうとやや足を早めるが、やはり馬車の方が早い。あの馬車は定期便の馬車だろうか?  11時前にハイキング道から一般道に出てCurtins に到着。もう200メートル程度行った所にあるホテルから丁度戻って来た馬車を止めて乗せてもらう。二頭立てで座席が3列。帰りの馬車には誰も乗車していないので貸切りで気 兼ねがない。  今まで歩いて来た山腹のルートを横目で見ながらパカッパカッと舗装道路を戻っていく。ロゼック谷の馬車ルートはほとんどが森林であまり眺めは良くないが、こちらのルートは牧草地の中なので抜群に眺めが良い。馬車だけで言えばロゼック谷よりこちらの方が好きになった。  約40分でシルスマリアの街に戻る。早朝とは違って街の馬車乗り場は結構繁盛していた。「今度来る時は馬車で行ってCurtins のホテルで食事をして又戻ってくるのもいいね〜」と話をしながら、午後からの目的地コルバッチェのバスに乗った。 −データブック−−−−−−− 1997年8月16日天候晴れ(万歩計) 8:20 シルスマリア ホテル発 9:00 Prasura 着、ハイキング発(3000歩) 10:50 Curtins 着、馬車乗車 11:30 シルスアリア着(8000歩) −−−−−−−−−−−−−