●Scuolスクォール●  グアルダの村を後にして、レーテッシュ鉄道RhBに再び乗車。終着駅SCUOLスクォールに向かう。ここから先は鉄道はなく、バスでオーストリアとの国境までわずかだ。  スクォールも昨年に引き続き2回目。昨年はここからバスでタラスプという小さな村を訪ねた。  今年はスクォールの町に行く。駅前のレストランで昼食後、町の方へ坂を下っていくとインフォメーションがあったので案内地図をもらい、更に小さな道を下っていくと旧市街の中心に出た。  町の規模はグアルダより大きく、真ん中の通りはバスも通っている。花とスグラフィッティ紋様に飾られた家々が軒を連ねているが、グアルダに比べると道路や建物の全体的な保存状態は落ちるようだ。  しかし、個々の建物をじっくり見ていくと、グアルダとは違った作りや意匠がここそこに見られ面白い。あとで撮ってきた写真をみたら実物より写真写りの良い町並みだった。  あまり歩いている観光客は見えず、クルマが乗り入れられるので車で来て、少し下りて写真を撮り、またクルマで去っていくと言うパターン。まるで日本的な観光風景。比較的落ちついていそうなカップルと写真を撮り合う。  さらに小道を下っていくと大きな屋根付きの木造橋に出た。橋の下にはInnイン川が氷河融けの白い急流となっている。この川を下っていくとインスブルックに流れ着く。  橋を渡って対岸からの町の方向を眺めると教会が河岸の崖の上に聳えている。見事な風景。  一通りの散策を終わり周回している小型のバスに乗車。スイスパスは使えず。途中、現在の町の中心の繁華街(という程でもないが)を通り駅に戻る。  駅の脇からは山の上に向かうキャビンロープウエイが運行していたが、今回はパス。RhBでサンモリッツへの帰路につく。  スクォールを出て、左手は深い谷になっているが、対岸に昨年訪れたタラスプ城が見事な光景となって目に飛び込んで来る。背景には後退した氷河が残した巨大な階段状の地形(氷食谷階段)がダイナミックに展開している。ここからはモレーンの岩石しか見えないが、より高い所にはまだ氷河が一部残っているのかもしれない。  しかし、この光景を写真に撮るのは結構難しい。と言うのは線路脇に木が並んでいたり、トンネルがあったりで、その切れ目を狙いシャッターを切る。  この先鉄道はサンモリッツまで、一部樹海に入る所もあるが、全体には明るい谷から牧草地を抜けていくので、とてもきれい車窓風景だった。