●ST.GALLENザンクトガレン●  夕刻、ザンクトガレンに到着。昨年は1時間程の滞在で、街をゆっくりみる事も出来ず、心残りの内にチューリッヒに向かう事になったので、今年はスイスの最後の夜をここで過ごす事にした。  アインシュタインホテルまでタクシーで行き、荷物を置いた後、早速、町の散策にでかける。ザンクトガレンはこの州の州都であり、駅前から大きなビルが立ち並ぶが、旧市街の方はなかなかの趣がある。  大聖堂あたりを30分程歩いたがどうも妻の体調が思わしくないようで、ホテルに引き返す。疲れが出たのであろうか、食欲もないらしい。そう言えば私も食欲があるというわけではないので、散歩がてら何か簡単なものでも買ってこよう、と私だけ再び散策に出た。  日曜なので店は全く開いておらず、結局、駅の売店でパンと飲み物を買う。そのまま引き返すのも何だか勿体なく、時間もまだ7時半で明るいので少し遠回りしてから帰る事にした。  駅前のビルの1階に寿司屋を発見。しかし、食欲起きずに、再び旧市街へ。  ここの建物はドイツ風と言ってもよいのであろうか、太い木組みの柱や梁がそのまま外壁の一部になって見えているのが特徴だ。がっしりとした作りがその住人の精神構造をあらわしているようだ。  道の上には色々な旗が飾られていて街のアクセントになっているが、看板の類はきわめて小さく、少ないので、日本みたいな雑然感はない。木組みでない普通のビルや建物の窓や最上階の明かり取り窓なんかも計ったようにシンメトリーに並んでいる。整然とした街だ。  この街にはケーブルカーやいろいろな博物館もあるらしいが、もはや今回も時間切れ。私も疲れたのでホテルへ戻る。  買ってきたパンを食べる気は起こらず、風呂に入って一段落。  しかし、その夜・・・。  昼間のアッペンツェルのイタリア食に合わなかったのか、はたまた、旅の疲れか、私に猛烈な吐き気が襲いかかり七転八倒・・・。今まで一番激しい吐き気でした。  こうして、スイス最後の夜はスイス旅行の思い出に浸る事もなく、洗面所の冷たいタイルの上にバスタオルを敷き、便器の脇でひたすら耐える夜になったのでありました。冴えない。