日本建築用語集
2022-01-25版
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用語 説明
相の間 二つの建物の間をつなぐ間 例:拝殿と本殿の間をつなぐ空間
明障子 比較的細かい木の桟に和紙を張り明り取りの役を持たせた障子
一手先 大斗〜肘木で一段伸ばすことだが「一手先」という言い方はしない
入母屋屋根 =>屋根
海老紅梁 エビのように湾曲した虹梁
扇垂木 建物の中心部より放射状に敷設する垂木。寄棟屋根などのコーナー部でもしっかりするが施工は難しい。中国や大仏様、禅宗様にみられる。
置千木 神社の屋根の端に置かれたX字形の装飾的千木
筬欄間 細かい縦桟を入れ、横には数筋の桟を入れた欄間
尾垂木 枡組みから斜め下に突き出している垂木
母屋と庇 二重に回っている柱の内側を母屋、外側を庇。斜線屋根の形状から母屋は庇より高天井となる。
折上天井 天井の周囲を曲線を使って折り上げた天井
鏡天井 あまり桟を入れずに表面を磨いた板を張った天井
懸造り 傾斜地、池、崖などに柱を張り出した建築 例:京都・清水寺
頭貫 柱の上に横方向に接続される材
春日造り 神社建築の様式。切妻造りで妻入り形式。屋根は左右に平等に流れ反りが入る。入口妻には小さな階隠(はしかく)しという屋根が付く。棟には置き千木 (ちぎ) ・鰹木 (かつおぎ) を置く。
竪魚木 神社の屋根の上に横に並べられる円材
花頭窓 釣り鐘の断面形をした窓 火灯窓、華頭窓、架灯窓、瓦灯窓とも書く
唐破風 =>屋根
肘木のことを言う→肘木
切妻屋根 =>屋根
近世仏堂 概ね江戸時代の仏堂
・権力が武士に移行し寺院の地位低下
・武士の権威発揚のために大型寺院建築
・大建築では大仏様の挿肘木の多様
組入天井 梁と桁の間に比較的幅狭く材を渡し、その上に板を張った天井
組物 柱と梁・桁が接する柱上部の接続工法。両者を強固に接続する。あるいは屋根の軒の出を深くする為に建物外部に張り出す工法。時代が下るにしたがい装飾的意味合い強くなる。
化粧屋根裏 天井を張らずに屋根裏を見せる手法
切妻から奥方向に向かう柱の上を横に渡す材
桁行 桁の伸びる方向
格天井 梁と桁の間に比較的幅広く材を渡し、正方形を並べた天井
紅梁 建物の内部に向かう構造材
古代仏堂 ・当初、法会は堂外で行われる
・金堂は巨大な厨子
・後に金堂に内部空間として礼堂が付け加えられ、法会は建物内部で実施。
小屋組 梁と桁の上に乗せた屋根を支える構造物
和小屋:梁の上に束を垂直に立てて屋根を支える工法
様小屋:垂直な束だけでなく、斜めに渡した材でトラスト構造を造り屋根を支える工法
金堂 後年の本堂の事。その寺院の本尊が収められる。
竿縁天井 あまり狭くない間隔で桟を並行に張り、その上に天井板をつけた天井。一般民家に多い。
座敷飾り 書院造りの主室に備えられた床の間・違い棚・付け書院・帳台構え。
挿肘木 柱に直接差し込まれた肘木
桟唐戸 周囲に枠を組み、その内部に薄い板をいれた扉
三手先 大斗〜肘木の組み合わせを3つ重ねて伸ばす。
軸組 柱・梁・桁に斜め補強材などを組み合わせた建物の構造体。この上に小屋組が乗り、屋根が載る。
地垂木 複層になった垂木の一番下の垂木
蔀戸 格子を組み、間に板をいれた扉。長押に取り付けられる。
書院造り 室町時代以降の書院を建物の中心にした武家住宅の形式。書院とは書斎を兼ねた居間で、座敷飾り(付け書院、床の間、違い棚、帳台構え)を備える。
浄土真宗仏堂 ・畳敷きの広い外陣。多くの信者を収容。
・内陣の左右に余間、内陣後方に仏壇
・正面に吹き放しの広縁
・内陣の床は外陣より一段高い
・強い反りをもった屋根
寝殿造り 平安時代の寝室を中心に添えた貴族住宅の様式。寝殿の周囲に対屋 (たいのや) を設け,これらを透廊(すいろう)でつなぐ。
透廊 寝殿造り建築の間をつなぐ廊下
数寄屋造り 安土桃山時代から江戸初期にかけての茶の湯流行を邸宅に用いた様式。
禅宗様 禅宗の寺院に用いられた様式
・裳階を付け屋根を二重にする
・基壇の上に立ち床は張らない
・柱の上に台輪を乗せ、その上に隙間なく組物をならべる
・庇は化粧屋根裏、母屋は鏡天井
・軒先に強い反りを持たせ、扇垂木を用いる
・尾垂木、海老虹梁など装飾部材多い
・花灯窓
層塔型天守 威光や権威を表現する為の天守。例:松本城、姫路城、安土城
礎石建て =>柱の立て方
大斗肘木 組物の基本的1種 柱〜頭貫(桁行)〜大斗〜紅梁(梁行)〜肘木〜桁(桁行)
大仏様 奈良大仏殿に用いられた様式
・元は中国宋から渡来した建築様式
・柱の組物は用いず挿肘木を用いる、
・柱の中間に遊離尾垂木を用いる
・軒は一軒、隅だけ扇垂木
・化粧屋根裏
・桟唐戸
台輪 柱上端をつなぐ頭貫(かしらぬき)の上のさらなる厚板状の水平材
宝形屋根 =>屋根
垂木 棟から斜めに屋根を支える材
千木 神社の屋根の端でV字形に突き出す材
千鳥破風 =>屋根
中世仏堂 概ね鎌倉〜室町(戦国時代)
・3間または7間でほぼ正方形
・格子等で内陣と外陣を仕切る
・内陣と外陣は同じ床高
・内陣には厨子を置き、仏像は小型化。秘仏。
屋根や床などを垂直に支える材
切妻に正対する方向
妻入 妻(切妻)にある出入口
出組 柱から外側に張り出していく組物。軒を深くする効果。
凹形の細工物で凹部で上の肘木などを受ける
塔(仏教) 元は仏舎利(心礎に釈迦の遺骨を収める)。その上に立つ心柱に意味があり、周囲はその装飾建築。本来は仏教の中心物であったが、次第に本尊(像)が重要視され、金堂(本堂)と分離していった。
土台建て =>柱の立て方
流造り 神社建築の様式。切妻造りで平入りの形式。屋根は手前側に長く流れた形式。屋根に装飾ない。
流造り 片方の屋根面が長い屋根
長押 部屋の出入口の上や周囲に回した水平材
二手先 大斗〜肘木〜大斗〜肘木(〜丸桁〜垂木)で2段先まで伸ばす。丸桁は垂木を支える横材。肘木の屋根側には軒支輪という装飾材が設置されることが多い。
一軒(ひとのき):一段の軒(地垂木)
二軒(ふたのき):二段になっている軒(地垂木と飛檐垂木)
柱の立て方 掘立(地面に直接立てる)礎石建て(礎石を置きその上に立てる)土台建て(土台を造りその上に立てる)
八幡造り(神社) 神社建築の様式。切妻造りで平入りを2棟前後して並べる。つなぎの部分には相の間が入る。
拮木 軒を深く出したい時に軒の内部から軒先をはね上げる工夫の材。テコの原理を応用。
切妻正面の柱の上を横に渡す材
梁行 梁の伸びる方向
飛檐垂木 地垂木から斜め上に伸ばされた垂木
肘木 柱の上に枡を付け、そこに肘木を置き材の台とする。
菱欄間 左右斜めの桟をいれた欄間
一軒 =>軒
比翼入母屋造 雄雌の鳥が翼を重ね並んでいる様子を模した2連の千鳥破風の形式
桁に正対する方向
平入 平にある出入口
平三斗 組物の一種 柱〜頭貫(桁行)〜大斗(十字形の凹)〜肘木〜肘木〜巻斗〜桁+紅梁〜垂木
ニ軒 =>軒
並行垂木 全ての垂木を並行に敷設する。工法は簡単だが、寄棟屋根などのコーナーでは支えとなる丸桁の交点より先は支えがなく構造上弱くなる。
望楼型天守 遠方の敵の動きなどを望む為の天守。例:犬山城、松江城
堀立 =>柱の立て方
柱と柱の間 例:桁行3間梁間2間
舞良戸 板戸の板の表面に細かい横桟(舞良子)をいれた扉
巻斗 十字形をした斗
斗のことを言う→斗
棟持柱 屋根のトップに連なる材
棟持柱 神社の社の中央に置かれる太い垂直な柱。装飾的意味合い強い。
裳階 壁面に付いた庇状構造物。本来は雨避けであるが、後に装飾的意味合い強くなる。裳層ともいう。階が増えたように見える。
裳層 =>裳階(もこし)
屋根 切妻屋根:両側が垂直に切り落とされた三角屋根
寄棟屋根:切妻屋根の妻側を少し斜めにした屋根
入母屋屋根:寄棟屋根の上半分に切妻屋根を乗せたような屋根
宝形屋根:ピラミッドのような四角錐屋根
唐破風:上部が曲線を描いた屋根形の屋根飾り
千鳥破風:切妻形をした屋根飾り
遊離尾垂木 尾垂木は柱に接続され突き出ているが、柱間の何も無い部分に設置される尾垂木。柱間を広くとり場合に軒や屋根を支える。
寄棟屋根 =>屋根
欄間 採光、通風、装飾のために天井と鴨居との間に設けられる開口部材
両流 両方の屋根面が通常より長い屋根