日本で見掛けた ギリシャ神殿風建築 (ギリシャ君) |
国内編 3 |
東京・表参道 ラルフローレン (AJさんからのレポート) |
基本的には両渦巻きのイオニア式コラムのスタイルをベースとしていますが、平板なので強い威厳は感じられませんね。
ただ、この両渦巻きがなければ、かなり寂しいデザインに見えてしまうことは確かで、やはりギリシャ風コラムのパワーは強い。 |
船橋市 メガネハット船橋薬円台店 |
こういう所に使われているのは、なんか微笑ましいというか楽しいですね。ハーフコラム形式でキャピタルは強いていえばドリス式ですが、エンタブレチュア(梁)が無装飾なので力強さには欠ける。
キャピタルは眼鏡屋なので屋上マークと合わせて、両渦巻きイオニア式にすればよかったのでは?いや、渦巻きだと目が回る感じで不味いか? |
東京文京区 郁文堂(いくぶんどう) |
正面にとても太い柱が4本並ぶ。
柱に模様はないシンプルな形で
キャピタルの様式も特定のものではない。
1923(大正12)年の建築 |
東京新宿区 OREBAKO |
歌舞伎町のライブハウスらしい。建物本体とは関係なく、入口としてこの造形を構築。ペディメントと柱の正当組合せだがはやり規模において重厚さは出せてない。しかし、こういう採用は微笑ましい |
東京新宿区 日神ビル(にっしんビル) |
一階には太い独立柱が2本。二階はハーフコラム形式の列柱。しかし、威厳を高めている感じでもなく、
「なんとなく付けました」的。
1階も2階も恐らく構造的に柱の必要性はない。どうせやるのら、窓の造形等を含め
もう一工夫欲しかった |
東京江東区亀戸 カトリ美容室 |
ギリシャ神殿風かというと
ちょっと違う感じですが
三角屋根とその下の6本の柱が
一応、それっぽいギリシャ君。
(何回か投稿してくれている
AJさんが、こられの作品を
「ギリシャ君」と名付けてくれましたので今後はそれで行きたいと思います(笑) |
東京江東区亀戸 誠クリニック |
ほとんど見逃しそうですが
三列、二段階の柱の並び。
一応柱頭部もついている。
さすがにスペースがないので
円柱にはならないけど
地味なギリシャ君 |
東京江東区亀戸 カズン |
下の三角形のペンデンティブ風の
飾り屋根の下には柱がないけど
その上の半円形のアーチを支えるような形で
何本か柱が並ぶ。
最上部の屋根下の装飾も含め
大変面白いデザインとなっています 上で取り上げた3軒はいずれも「亀戸香取勝運商店街」の建物。かなり前に商店街全体をリフォームしていて、その時に 商店街として、このようなギリシャ君風のデザインを 各店舗のファサードに装飾したのであろうか? 偶然の一致にしては出来すぎている |
東京都千代田区 イギリス大使館 |
三角のペンディメントの下にバロック調で省略デザイン化された柱が並ぶ。
イギリスってギリシャ文明に対してコンプレックスを持っているように思う。
大英博物館自体がギリシャ神殿様式のスタイルであり、
その収蔵物もギリシャのものが多い。植民地からの物が多く,よく「泥棒博物館」という汚名で揶揄される 右は正面玄関の左側にある小さな入口。 こちらの方はドリス式風の円柱で支えられている。 こちらの方が「ギリシャ君」っぽい |
東京都千代田区 法務省 |
1895年に明治政府から招聘されたドイツ人により設計された。
東京空襲で大分破壊されたが、その後修復再建された。
バロック様式らしいが整然としているのでルネッサンス様式にも近いと思う。
コラムはドリス式の様式だが柱はドリス式のように太くはない。
半円形で立てに二本線が入ったスタイルの窓は「浴場窓」という様式で
元はローマの浴場の建築から来ている |
東京都中央区 センチュリー銀座ブティック |
一階入口の柱だけドリス式のギリシャ君。
二階の窓は教会の窓のスタイル。
この先の尖った様式はゴシック建築の特徴の一つで
ポインティッド・アーチ・ウインドウという。
また間の丸い窓はトレーサリと言う。
これが独立して大きくなったものは
ステンドグラスが嵌められバラ窓などになる。
この建物(一二階部分)は教会をイメージが強い |
東京都千代田区 三菱東京UFJ銀行本店 |
横2メートル近い立派なイオニア式のキャピタル。
以前ここに建てっていた三菱銀行本店に使われていた。
下の写真が元あった建物の姿。
なんとも立派な列柱であった。
それがこの部分だけになってしまったのは残念。
残りの部分はどうなったのであろうか?
どこかでベンチかなんかで生き残っていると嬉しい |
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