日本で見掛けた ギリシャ神殿風建築 (ギリシャ君) |
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国内編 4 | ||
東京・千代田区 日本水準原点標庫 |
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国会の前の憲制記念会館の庭にひっそりと佇むギリシャ君。
この中に日本の水準原点(現在24.3900メートル)が納められているらしい。
小さいながらも、ドリス式(正確には溝がないのでトスカナ式か)の独立柱を持ち、
それで分厚いエンタブラチュアとペディメントを支えている構図。
なぜ、ここでギリシャ君デザインになるのか不明であるが
明治の頃の建築であるそうで、その頃はギリシャ君流行っていたのでしょう |
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ところで、左下の赤で囲った部分(「トリグリフ」という。
実はこの配置はちょっとおかしいということに、現在ではなっている。
と言うのは、この部分は大昔に木で神殿を作った際に
桟の小口として現れる部分を石で作った時の姿をデザイン化しているものであり、
この位置は右下の写真のようにエンタブラチュアの一番端になければならない、
ということらしい |
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東京・中央区 築地教会 |
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築地・聖路加病院のそば。
ビルに囲まれているが、木々も多く、神聖な空気が感じられる。
それにしても立派な太いコラムをもったギリシャ神殿作り。
昭和2年に建造されたそうだ。
聖堂全体は石作りにみえるが木造らしい 。 内部は列柱以外は特に目立った特徴はないが、質素にまとまっている。門はこれも立派なイオニア式の柱頭をデザインしている |
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千葉県 ・個人宅 |
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小さいけど、まごうことなきギリシャ君。
個人宅のポーチにはいろいろ様式が考えられるが、
全体的にはアーリーアメリカンスタイルの中で
何故これを選んだのだろうか。柱自体は細い柱を採用し
全体的に神殿の重々しさよりは
単純なパターンのファサードに
爽快感を醸しだしている |
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東京・中央区 ・北沢ビル |
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ギリシャ君かと言えば、そうではないだろう。
柱が2本立っているだけ。
神田の古本街の一店舗。
周囲の大学の建築は重々しいものが多いので
それに合わせる形での採用か? |
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東京・中央区 三菱UFJ信託銀行 |
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中央部は過去に建っていた建物の一部を門として残したものであろう。
残ったことは残ったが、残念ながらこれでは雰囲気は残らない。
柱頭(キャピタル)は当時のものであろうか? |
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東京都中央区 築地本願寺 |
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さて、この複雑怪奇な建物がギリシャ君かといえば、違うだろ。
ギリシャ君でもないし、仏教君でもないし、イスラム君でもないし、ヒンズー君でもない。この寺院は世界のいろいろな様式を組合せて作ったらしい。
逆に見れば個々のパーツをきちんと入れ換えれば、立派なギリシャ君になると予想できるのだが・・・・ |
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東京都中央区 サンルイヤル・ビル |
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お茶の水駅改札口のすぐそばにあるビル。
出来た当時はジャズ喫茶だったようですが
今は串焼き屋とかが入っているようです。
これもギリシャ神殿という感じとはほど遠いですが
柱頭(キャピタル)はコリント式のアサンサスの葉に見えます。
上の真ん中にはロマネスクのロンバルディア帯のような模様。
最上階の柱はバロックの特徴である双子柱もあり
何とも面白い造形。
しかし、中の使い勝手はよさそうには見えず、
なんとなく早晩無くなってしまうような予感も・・・・
残して欲しい |
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これも最近建て替えられたビル。
以前はあまり建築に興味はなかったのでよく覚えてはいないが
このビルとはかなりイメージの異なる素晴らしいオールド・ビルがあった |
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お茶の水の通称ニコライ堂は歌にも登場する有名な建物。
身近にあるが、このように近くまで行って見たのは初めて。
1891(明治24)年に建築されたビザンチン様式の教会堂。
さて、ギリシャ君は・・・??
正面の隅っこに小さな二本柱を見つけました。
何故、ここに二本入ったのか不明ですが、かわいい |
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