ベルンカステル
Bernkastel

モーゼル川中流のモーゼル・ワインで栄える町。紀元前から、このあたりに人は住んでいたらしいが、町の歴史は11世紀から文書記録されている。町の印象としては同じモーゼル川にそったコッヘルCochemによく似ている。
(訪問・撮影:2010年7月ライン川~モーゼル川クルーズの途中にて)

 
モーゼル川西岸のKues地区は13~14世紀には町が形成されてワインの生産が始まっていた
1692年に火災で廃墟となった13世紀に建築されたランツフート・キャッスルの跡
旧市街の中央にあるマルクト広場Marktplatz。 赤いアーチがある建物が旧市役所Town Hall。その前にはSt.Michael's Fountainという噴水がある。昔はここからワインを吹き出していたということだが今はただの水。ただし、9月のワイン祭りの日にはワインを噴出させるとか。市役所の前の柱には鎖が付けられているがこれは当時、罪人をくくり付けておくものだった。
広場の周囲には妻を広場側に向けたハーフティンバー様式(半木骨造)のドイツ風の美しい館が並ぶ。一部は15世紀あたりのものも混ざっているようだ。
商店名を示したプレートは各所に見られる
奥の尖った屋根の家は1416年の建造らしい 
この町はしばしばモーゼル川の氾濫に襲われている。建物の壁に何年何月にどこまで水位が来たかが表示されている。一番高いのは1784年で2階の窓の下付近まである。ガイドさんが手にしている写真は1993年に起きた過去2番目の洪水で奥の商店に入口の半分の高さまである。壁のマークでは中間にある茶色の模様の上に書かれている表示の高さであり、4m近くある。近年では2003年のマークも描かれている。
不思議というかすごいと思うのはこれだけ度々洪水に襲われているにも関わらず堤防の嵩上げを行っていないことであり、自然保護、景観保護を重んじている為なのであろうか。家々は頑強であり、水が出たときには直ぐに上階に退避できるような生活になっているのだろう。日本だったら景観保護よりも直ぐにカミソリ堤防が作られる。
モーゼルワインの名所ということでワインセラーが多い。ドクターワイン庫(セラー)と名付けられた店。なぜ、ドクター(医者)かというと、その昔に町の有力者が重病に陥った時に一杯のワインで生きながられたという話(伝説)による。薬としてワインを飲むだという言い訳の様な話ではある。よって、この町でのワイン販売店は「Doctor」「Dr.」と名前に付くところが多い。
そのドクターのブドウ畑と大きなワイン庫は町の裏手を登っていった坂の途中にある
市庁舎の前のレストランの看板。夫婦?仲良く風呂につかってワインを楽しむの図。
Dr. Pauly - Bergweilerというワイン店のワイン庫での試飲会  
聖ミハエル教会Sankt Michaelの鐘楼。約600年位前の建造。鐘楼の下部には小さな入れ物があるが、これは昔の夜警がきちんとここを見回ったことを記す印が納められていた。