リエージュ・ギユマン駅
Gare de Liège-Guillemins |
ベルギー東部、オランダとの国境に近いリエージュLiege。首都のブリュセルからは直線距離で約100Kmの位置にある。人口は19万人弱で、昔から交通の要所として栄えた。
リエージュには幾つかの駅があるが国際駅はギユマン駅。今まで何回も乗り換えに乗降したことがあり、なんかすごい駅だな~とは思っていた。リエージュで学んだことのある建築の先生に「リエージュの街を散策したいが建築として見所はあるか?」
と聞いたところ、返って来た答えが、この駅 。
今までは内部からしか見ることがなかったが、改めて外部/内部から見直してみると確かにすごい建築だった。
(訪問と撮影:2010年7月、2012年6月) |
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乗り換え時のホームからの眺めはこんな感じ。確かに「屋根が面白いな~、大胆なだ~」と思った。しかし、全体像が想像付かなかった。 |
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始めて駅の外に出てみようと端のホームに行くと幅広い下り階段があり、その先は広い広場通路?(縦模様部分)更にその先には駅前広場(緑の部分)、駐車場が広がっていた |
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そして駅舎外に出て振り返った時の姿がこれ。え~、何これ!!しかし、これでも全体像が分かりませんね |
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少し横から見た図。手前は庇のように張り出しているのが分かる。これは駅舎前広場(通路?)を覆っています。 |
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この庇の部分。かなりの面積にも関わらず垂直柱はありません!! |
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ところで上の写真ではドームが大き過ぎて端っこまで写っていません。端はどうなっているかというとすら~っと長く伸びています。パノラマ撮影なので真ん中が凸って曲がっているように見えますが実際はこの当たりでの線路は直線です。そして、屋根全体は鞍の形に近いようです |
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駅舎に戻って端を眺めると確かにホームの長さに沿って屋根はすら~っと伸びている |
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落ち着いてみるとプラットホーム上は大きなアーチ状のガラス天井になっている。しかし、この大屋根どうやって支えているの??ともかく真ん中に柱はありません |
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ホームの端に行くとわかりました。このたくさんの斜柱が両端から大屋根を支えています。 |
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この柱は数は多くても幅は細いので目立ちません。自然と屋根の正方形の桟に溶け込んでいきます。我々の目には屋根の桟がそのまま降りてきているように見えます。すごい構造ですね~ |
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屋根の桟(上)と斜め柱(下)この時計の配置なんかも美しい |
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微妙な屋根の造形。階段・エスカレータともグッドバランス。 |
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夜になってくると淡い照明が灯される。
この写真を見て、気が付いたのは屋根を支える斜めの支柱はそのまま地面の基礎につながっているのではなく、一旦、横方向のビームに終端される(上階の通路部)。確かに斜め柱がそのまま地面まで行ったら線路が通せない
この横ビームにかかる力は垂直方向ではなく斜め方向ベクトルになる。このやっかいなベクトルを持った力を最終的には真ん中に写っている末広がりの細い支柱で受け止めている。なんとも複雑で、危なっかしく、美しい構造!! |
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ところで「駅舎(オフィス)」が写真に見えて来なかったが、プラットホームは二階にあるので、一階にオフィスとか売店、コンコースがある。
調べてみるとこの駅は世界の駅十傑に入っているようだ。設計はスペインの建築家
サンティアゴ・カラトラバ。この駅をみると幾つか思うところがある
***たかだか人口20万の衛星都市によく作ったな~***
東京付近で言えば、伊勢崎や小田原あたりの距離・人口
***このすっきり感は大したもの***
ここに掲載した写真でも明確な文字は電光掲示板と番線表示のみ。日本だったら、何だかの注意書きやら商品ポスター、垂れ幕などで、折角のきれいな建築も台無しにしてしまっているところが多い。
***地震国日本では無理な建築?***
調べてみると金沢駅が同じような巨大なガラス屋根を持つ。しかし、その表情は・・・リエージュ駅は宙に飛び出しそうな高揚感があるが金沢駅はどっしりと頭に振りかぶって来そう(写真でのイメージだが)。天井のフレームも斜めが入っているので鬱陶しい。リエージュ駅は耐震基準が弱い欧州ならでは、というところはある。 |
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●○●訪問・散策上のコメント●○●
・欧州の駅であるので、入場券等は不要で自由に出入り、散策できる
・トイレ、売店は一階にある。
・旧市街はこの駅からは徒歩30分程度離れたところにある |
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