マーストリヒト
Maastricht |
オランダ南端部に位置するマーストリヒト。西はベルギー、東はドイツに隣接するオランダ語(リンブルフ語)のリンブルフ州都。EU発足のマーストリヒト条例が締結された場所として有名。 この付近には石器時代から人が住んでおり、1世紀ごろには町が形成されていたようだ。以来、いろいろな国の支配に組み込まれた。最終的には 1815年オランダ(ネーデルランド)に組み入れられた (訪問・撮影:2008年7月、2009年7月、2010年7月、2012年6月、2013年7月) |
マーストリヒトとはラテン語で「マース川の渡河地」を意味し、古くからここに橋があった。現在も聖セルファース橋St. Servaasbrugが旧市街地(写真左側)と駅地区を結ぶ。マース川は穏やかな川で観光船も多く就航している。 |
旧市街側から見た橋。対岸には駅がある |
駅側から見た橋 |
昔の橋の有った場所を示すモニュメント。現在の橋の位置よりやや南側。 |
川の旧市街地側岸壁は大型観光船の港になっている |
マース川に接したバッシンBassinという小型船舶用の港。周囲には店が並び、日によってはイベントも行われて賑やか。 |
旧市街には3~14世紀に構築された市壁や濠が一部残っている。三角屋根は3世紀に建てられた「地獄の門 (Helpoort)」。ペスト患者を場外のペストハウスに追放したということに由来する。市壁は低いようにみえるが、当時は市壁外側には濠があり、接近を拒んでいた。 |
市壁の下に大砲が置かれているが、そこは当時は濠であり、大砲は壁の内側に置かれていた。 |
住居地にも市壁が一部残っている |
北西の街外れには濠(空堀)と市壁の跡が公園Hoge Frontenとして保存されている |
旧市庁舎City Hall of Maastricht とその周囲のマルクト広場。曜日によって市が立つ 衣料品、果物、野菜、肉・魚介類等豊富。 |
聖セルファース教会 (St-Servaasbasiliek) 11~15世紀にかけて建設された基本はロマネスク様式の教会堂だが、ゴシック様式の要素も見られる。 |
出入口は西側ではなく、街の中心に向いた北側につけられている。右側(西側)の塔は2本ある。赤いタワーは隣接する聖ヤンSint Janskerk教会堂 |
オリエンテーションのルール通り東端の半円部がアプス(内陣、祭壇)になっている。円形の上端を持つ窓や屋根の下の波形模様(ロンバルディア帯)などがロマネクス様式の特徴を示す |
ロマネスク様式の立派な塔。手前の建物はゴシック様式の窓を持つ。 |
聖ヤンSint Janskerk教会堂(1450年建設)。教会堂自体はゴシック様式。この塔には登れる。 |
聖ヤン教会堂の塔からの眺め。塔の高さは70m、展望台は43m。隣の聖セルファース教会には西側に大きな塔が2本(左写真)、東側にも小さな塔が2本(右写真)あるのがよく分かる。 |
下の広場はフライトフVrijthof広場。イベントや市場がたったりする。この日はコンサートの為にステージが設置され、椅子が並べられている。 |
コンサート会場から見た二つの教会堂。ここから見ると一体化して見える。このコンサートの様子はこちらで紹介しています。 |
マーストリヒトには使わなくなった教会堂を別の用途として転用・保存しているものがある。これはKruisheren Hotel。15世紀からある教会堂+修道院だが全体は18世紀後期に完成した。後に閉鎖されたが2005年にホテルとしてオープン。マーストリヒトでも一番の高級ホテルとなった。 |
全体はゴシック様式の風貌を保存してある。色付きの窓がある部分は修道院として使われていた部分で現在は客室が並んでいる。 |
内部は十字架、ステンドグラス等の外せる宗教事物はほとんど撤去されているが、建物は極力傷つけないようにリフォームされている。教会堂の本体部分はフロント、ロビー、レストランなどの共用スペースとして作られている。特にレストランは人工の床を二階分としてつくり、天井の照明などと合わせ不思議な雰囲気の空間になっている。全体的には超モダンな内装デザインと古い教会堂のコントラストが見事。 |
廊下部分 梁が出っ張ってちょっと危ない。少々変な日本語でも注意書きがあった。日本人はめったに泊まらないと思うが・・・ |
客室は教会の建物の内側にもう一つ独立して部屋を作っている構造。超モダンな家具やデザインであふれる。 |
この部屋はバスタブと二人で入れるシャワールーム(右)があったがシャワーカーテンもないバスタブはどう入ったらいいのかいつも悩み。洗面台は手前にもう一つある。 |
面白いテーブルやイスがあったり、大きな壁写真があったり。壁写真は1948年、オランダのジュリアナ王女がベランダで民衆に挨拶している写真 |
もう一つの古い教会堂を利用した施設は、ブックハンデル・セレクシーズ・ドミニカーネンBoekhandel Selexyz Dominicanenという大きな本屋。2007年にオープンしている。元は13世紀のゴシック様式の聖ドミニカ教会。この教会堂も極力オリジナリティを残すようにリフォームされているのが分かる。マーストリヒト大学が近くにあり本の需要は多いのだろう。 |
中央の天井が高い部分は身廊、左右の低い部分は側廊と呼ばれるが、その境は標準通り、大きな尖頭アーチのアーケードで仕切られ、その上にはクリアストリー(高窓)が並んでいる。本来はこの窓はステンドグラスである。 |
この本屋も宗教的な事物は極力撤去されている。下の半円形の場所がアプス(祭壇)で聖職者以外は立ち入りできない神聖な場所であったが、今はカフェとなっている。センターテーブルが十字形なのが往時を忍ばせる。 |
中央部の高くなっている身廊部分は2階建て構造になっていて天井が近いので、天井やリブ(桟)の構造がよくわかる。リブはほとんど装飾用で構造的には積まれた石材が支えている。 |
シティ・ツアー用のガラス張りのトロリーと黄色い古風なボンネットバス。旧市街側の聖セルファース橋の袂付近から運行している。 |
マーストリヒト旧市街の風景。何本もの街路があり、多くの店が並ぶが、とりわけ洋服店が目立つ。早朝や日曜日は人通りも少なく、店が開く時間になると賑わって来る。 |
オランダは自転車天国だが、ここマーストリヒトも自転車が多い |
レーウェンの水車Leeuwenmolenと呼ばれる古くからある水車小屋。パン屋が併設されており、今も現役で粉弾きに使われている |
旧市街からはマース川の対岸にあるボネファンテン・ミュージアム。スペースシャトルみたいな建物が目を引く。内部はいろいろな時代の美術コレクションが並んでいる(撮影禁止) |
マース川にはいろいろな観光船が就航している |
マーストリヒトの中で見かけた日本、今もあるだろうか? |
旧市街ブティック街のインテリア洋品店ショーウィンドー |
マーストリヒト駅そばの新市街地の日本ステーキ・レストラン「KOBE」 |
港近く、レストラン「TOKYOTO」 |
「TOKYOTO弁当」 |
マルクト広場横のSushi-ya。店は広くないが、観光客含め人通りは多い。 |
Sushi-yaは以前は駅のそばにあったが、2013年では閉店となっていた。マルクト広場に移転か? |
マーストリヒト大学そばにある日本グッズ店「Japonais」 |
レーウェンの水車のそばにあったタイ料理と寿司の合体店「Thaiichi タイー」 |
●○●訪問・散策上のコメント●○● ・マーストリヒト駅から旧市街までは歩くことも可能だが、荷物がある場合はタクシーが便利。・旧市街の散策は休憩や食事をいれれば最低5~6時間が必要。結構被写体になる風景が多い。・ホテルは駅周辺と旧市街にあるが観光としては旧市街のマルクト広場、フライトフ広場付近が便利。日曜はほとんどの店は休みだが広場での市場が立つ。 |