トリーア Trier

トリール、トリアーとも表記されているルクセンブルグに近いドイツ西部の町。 古代ローマの都市として紀元前に欧州拠点「第二のローマ」として建築されたドイツ最古の都市。 モーゼル川に隣接し、交通の要所として存在。 モーゼルワインの集積地としても賑わっている。

市内に古代ローマの遺跡と中世の遺跡が混在していて、 それらは一群として世界遺産登録されている。 特に有名なのは2世紀ごろ建築されたという古代ローマの門「ポルタニグラ」。

今回は訪問していないがカール・マルクスの誕生・住居の地でもあり、 生家や展示館もあり、トリーアのもう一つの観光目玉になっている。
(訪問・撮影:2010年7月ライン川~モーゼル川クルーズの途中にて)

モーゼル川の船着場。真ん中に洲があるので川幅が狭く見えている。
西暦100年頃のローマ時代の円形競技場Ampitheatre(世界遺産)
2世紀ごろに建設された皇帝浴場Imperial Baths(世界遺産)
ローマ時代のトーリアには市壁があったが、その北門としてあったのがこのポルタ・ニグラ(黒い門)。黒色は材料の石の色なのか単なる汚れなのか?。その後市壁は撤去され、この門だけが残ったが中世には教会堂に転用され、その構造も一部残っている。
整然と並ぶアーケードと窓。防御用の施設としては明らか窓が多すぎて、その役を果たさない形になっていると思うが、当時のローマの勢力では他が攻めて来るとは思ってもみなかったのであろうか。むしろ、威風堂々と権威を表現したのかもしれない。
柱や壁に彫られた彫刻も見事。石文化は風雪に耐える。
ポルタニグラの上層階からメイン通りの眺め
メイン通りからポルタニグラの眺め
アウラ・パラティナ / バシリカ(Aula Palatina (Basilica)(世界遺産) コンスタンティヌス帝の時代に建てられた宮殿  細めのレンガで重厚に構築されている
上記バシリカの隣にある選帝候宮殿(世界遺産ではない)  17世紀前半に建築された 外部はバロック調、内部はロココ調、前庭はフランス庭園というきらびやかさ
左:聖ペテロ大聖堂Trier Saint Peter's Cathedral  右:聖母マリア教会堂Liebfrauenkirche  この二つの中世の教会堂もトリーアの世界遺産群に登録されている。
聖ペテロ大聖堂はドイツで一番古い大聖堂(司教座聖堂)で、3世紀のローマ時代から各時代を経て増築されているが最終的には13世紀後半に完成している。外観や主要な要素はロマネスク様式だが外回廊など部分部分にゴシック様式がみてとれる。
庭園側からみた聖母マリア教会堂(左)とペテロ大聖堂(右)と回廊(上写真)  回廊部分にはゴシック様式の特徴の一つであるフライング・バットレスが設置され荷重を受け止めている。
内部は円形ドームや円形窓をもちいた重厚なロマネスク様式。しかし、場所によってはバロック的な装飾も施されている。
聖母マリア教会堂Liebfrauenkirche 13世紀中旬に建造された集中形式(平面図をみるとほぼ円形)のゴシック様式の教会堂
下側:聖ペテロ大聖堂(濃いピンクの部分が一番古い) 上の丸い建物:聖母マリア教会堂  左上の四角い部分:庭園と回廊  右側が西側の入口部分