アーケード商店街

郊外型商店でもなく、スーパーマーケットでもない地元密着型商店街の一つの到達点がアーケード商店街だ
しかし、今、多くのアーケード商店街が存亡に瀕している
全体がシャッター商店街化しているとこもあるし、また、なんとか工夫し賑わいを保っているところもある

ここではそういうアーケード商店街を巡ってみた。
なお、訪問は2015年頃なので現在では更に変わっていると思われる

グーグル・マップでの場所表示
川崎銀柳街 
川崎駅東口   
アー ケード長200m

「花とステンドグラスのある街」と表示されている。「花」は不明だが、ステンドグラス(風)は屋根の一部に付けられている。ただし、見上げて行く人、気がつく人はほとんどいない。屋根は開閉可能な大がかりな構造で他ではあまり見られない。

駅やこの付近は昔に比べると再開発が進み、このアーケード街も長さは変わらないが、人通りは維持できているようだ。何とか、この賑わいは維持してもらいたいものです。



川崎銀座街 
川崎駅 東口  
アーケード長70m

川崎銀柳街とは道を隔てての続きとなるがたった1本の道で様相が大分違ってしまうようだ。閉まっている店もあるし、現存する店種もちょっと場末的。
まあ、昔の川崎っぽいといえばそうも言える。商店街としては店種を変えつつ残っていくのでしょうが、「栄る」には課題が多い。



雑色商店街  
京浜急行雑色駅東西   
アーケー ド長180m

高架となった雑色駅を挟んで東西につながるがアーケードは線路部分で一旦途切れる。駅に通じるということで、それなりに人通りは多いが、賑わい感には少々乏しい。ピンクの造花もかえって寂しさを演出している。


場所がら全体がシャッター化することはないだろうが、人を呼ぶような店が何店かできると良いのだが。




あすと京浜蒲田商店街
京浜 蒲田駅西口    
 
アーケード長240m

京浜蒲田駅とJR蒲田駅をつなぐ道になっているが、この2線を乗り換える人はそれほどいないようで、人通りはそれほど多くはない。

それよりも問題なのは、このアーケード入口に隣接する京急蒲田駅西口に大型ビルを建築中でそこには当然多くの商店がオープンしていくことになる。それと如何に共存していくのか?またJR蒲田側のアーケード商店街やビル店舗との競争もあり、手く棲み分けられないと間に挟まれてシャッター街と化す恐れ。がんばりどころである



サンライズ蒲田商店街 
JR・ 東急蒲田駅西口 

アーケード長
300m

派手な駅側の入口(上写真)、幅もあり、人通りも多い。すごく栄えているという感じではないが、賑わいを維持している。
駅ビル内店舗がやや高級なのに対して、こちらは庶民クラスという棲み分けなのでしょうが庶民クラス=低価格というだけでは受けない。次なる工夫は?



サンロード蒲田商店街 
JR・ 東急蒲田駅西口 
アーケード長160m

サンライズ商店街に平行する商店街。入口は大変狭いので奥に商店街があるとは思えないくらい。内部は各店舗は道に看板やケース等を並べ余計に狭くなっていてすれ違うのがやっと。

ここは駅ビル店との競争ということではなく、まずは隣のサンライズ商店街との直接競争に晒されている。その狭さを逆手にとったドンキホーテのような密集感を演出できれば面白いと思う
しかし、一方では他の商店街同様、ここも駐輪の煩雑さに襲われており、そこを解決し、ストレスなく散策できるようにすることも必要だろう



大森銀座商店街ミルパ
JR 大森駅東口  
アーケード長210m

駅隣接としてはそれほど人通りは多くない。アーケード路は幅広く、透明屋根の部分も多いので明るく、写真でもわかるように全体スッキリとしている街造り。しかし、今、振り返ってみると印象が薄い。良く言えばストレスなく自然に溶け込めるという感じでしょうか



立会川西商店街  
京浜急行立会川駅西側

アーケード長80m


厳しいです  既に全体がシャッター街と化している。一旦、こうなってしまうとアーケードという一体感がマイナス方向で強く作用してしまう。ショッピングビルだと全体のリニュアル化も考えられるが、商店街の場合は個々の独立店主の集まりであるので統一した行動は大変難しい。
時代の流れと言ってしまえば、それまでだが、ここに日本の街づくりや社会作りの課題が見えてくる。


中延スキップロード  
東急中延駅西側 
 アーケード長360m


長さも長く、採光部分も広いので明るい感じが好ましい。各店統一した店名マークやポイントカード制も一体感を醸し出している。距離も長く、住宅地の中を通っているので人通りも多いが、なによりも、個別店主の積極的意欲が商店街としての統一感、工夫を生み出しているようだ。



赤羽一番街シルクロード商店街
北区赤羽1丁目23番6号    
アー ケード長60m
+20m

赤羽駅東口広場から一歩中に入った路地からスタートしている。写真を見ると店はみんなシャッターで人通りもない。確かに営業していない店舗もあると思うが恐らくここは夕方から夜にかけて店が開くところなのだろう。

しかし、アーケード街は屋根がある分、薄暗くなってしまって
狭い。アーケードに並行して一般の商店街があり、通常はそちらを通行してしまうようだ。
ここは顔なじみ客、通の客を相手として生き残っていくと良いのだが・・・



ラ・ラ・ガーデン赤羽スズラン通り商店街 
北区赤羽2−10−1    
アーケード長
330m

赤羽駅東口からは少し離れた場所に作られている。道幅が広く、屋根の作りも立派で、列柱と屋根に伸びる支えはまるで西洋の教会堂の内部の様な印象。写真撮影時はクルマの通行が許可されている時間帯なので少し煩雑だが、午後以降はクルマの通行は止まる

今まで見てきた商店街の中では一番賑わっている。その理由として考えられることは
(1)どこでも問題になっている駐輪スペースをなんとか確保してある

(2)通り幅が広いので屋根も広く明るい感じが漂う
(3)途中にダイエーも軒を連ね、相互集客がある
(4)よくありがちな「ともかく安い店」が並んでいるのではなく、ごく普通クラスの店が並んでいるので、雰囲気が良い
(5)その結果、若者も気軽に歩き、立ち寄っている、
と好循環が回っているようだ



十条銀座商店街
北区十条仲原1−4−8   
アーケード長
360m+70m+75m

十条駅前からドーンと360m、且つ、枝アーケードが2本もある巨大アーケード街。アーケードにはなっていない横町も何本も接続され、そこにも多くの店が連なっている。上の赤羽ララ・ガーデンに比べるとぐっと庶民的な店舗風景になり、客の年齢層もかなり上方にシフトする

店舗をリニュアルしているところもあり、昼間でも賑わっている。統一された看板以外にアーケード街としての工夫があるのか不明ですが、あまり工夫しなくてもやっていける良い状態なのだと思います。こんな感じで今後もやって行くのでしょうが自転車の走行や駐輪の問題はここでも大きいです。


谷中初音小路
台東区谷中7 -18-13    

アーケード長
30m

朝倉彫塑館に行く通りにひっそりと存在する。アーケード型式になっているがアーケード商店街とは違いアーケード付きの飲み屋横町と言ったところです。昭和のかおりプンプンです。

昼は店も開いていません。特にアーケードが必要とも思いませんがアーケードがある分、ちょっと薄暗い閉鎖感がある秘密めいた感じを醸しだします。



ジョイフル三ノ輪  
荒川区南千住1丁目15−15 
アーケード長
370m+35m

都電三ノ輪駅のすぐ横から始まっている。アーケード屋根は水色の遮光板?が取り付けられていて、他にはないちょっと変わったポップなムード。

丁度真ん中当たりが一番賑わっているが駅から遠ざかっていくとちょっと寂しくなってしまう。閉まっている店もあるし、「この前で寝ないで下さい」と言った注意書きも見受けられ、逆に治安の悪さを宣伝してしまう。また、アーケード路に面した部分を駐車場にしてしまい店頭の並びが途切れてしまっているところもある。

同じアーケードの下でも商店間の落差が激しい。「がんばれ日本」の垂れ幕があるが、「がんばれ、ジョイフル三ノ輪!!



いろは会商店街
台東区日本 堤1丁目18−7 

アーケード長31
0m

写真ではよくわかならないが状況は厳しいです。8割方の店舗はシャッター化しています。

東側入口の前には多くのオヤジがたむろしていて何かゲームをやっていたりしています。ちょっと写真を撮るのはもちろん、歩くのもはばかれる感じでしたが実際は寂しい商店街に活気を与えようとしているのかも知れません

下町の商店街ということで「明日のジョー」をイメージキャラクターに添えて飾っているが「明日のジョー」を知っているのは既に60代以上の人。そういう目で見れば、たむろしているオッチャンは明日のジョーのトレーナーのオッチャン風情と言えないことはないが・・平日の日中でしたが、歩いて人はほとんといず、そうなるとアーケードがある分余計閉鎖的で不安になってしまう。

最後のカケという事で「明日のジョー」を担ぎだしたのでしょうが商圏の状態もよくないので、再生はかなり厳しいようにみえる



佐竹商店街 
台東区 台東4丁目24−6 
 アーケード長330m


一言で言えばここも昭和のムードがプンプンです。人通りは結構サラリーマンが多いですが、しかし、買い物するかどうかは別。食堂等はそこそこ人が入っているようだ。回りはオフィス街なので夜は飲み客は多いのかも知れない。

全体には安価を打ち出している店舗と外国人向け専門店とかレトロ品店とかの差別化を打ち出している店が混在。安価で売れなくなると閉店となり歯が抜けると、全体への影響が大きい。なにか全体として特徴を打ち出せるといいのですが・・・

なお、ここは日本で二番目に古い商店街だそうだ。一番古いのは浅草の仲見世。



中野サンモール商店街  
中野区中野5-67-1 
アーケード長240m


中野駅北口前から中野プロードウエイビルまでをつなぎ若者や地元の人々で一日中賑わっている。


この周辺には大型郊外店はなく、クルマ必須の地域でもなく、ブロードウエイビルは近年は若者・オタク文化のメッカとなって流行っている。という環境的な幸運はあるが、それだけではないのだろう。


アモール東和 
足立区 東和2丁目17付近 
アーケード長50m


東京都モデル商店街事業第1号としてつくられたアーケードの商店街。人通りは少なく、商店の賑わいもない。現状、屋根はないが、最初から屋根はなかったとのこと。では、フレームは何のため?今一つ理解不能なアーケード商店街



ゆうろーど仲町商店会B街区
葛飾区亀有3-30-12付近 
アーケード長100m


亀有駅のすぐ近くにありながら人通りは少なく、店の賑わいもない。駅への直接道にはなっていないのでやむないところもあるが接続する青空下の商店街道に比べると穴蔵の中に入っていくような暗さがある。夜間だったらまた違った感じになるのかも知れない。懇意の客だけが知る通の店が並ぶみたいな感じにできると良いのだが・・・