@ 山手線周辺の教会堂・聖堂
山手線周辺の
教会堂・聖堂
山手線周辺には多くのキリスト教の教会 堂や他の宗教の聖堂などがたくさんあります
その幾つかを巡ってみました

欧州のキリスト教会堂は基本的には誰でも自由に立ち入れますが、日本の場合、信者限定だったり、幼稚園併設だったりで、むしろ原則非公開が多いようです。本当は内部も拝見したいのですが、積極的には立ち入っておりませんので外観中心の訪問になっております

なお、キリスト教会堂の予備知識として
・カトリックは教会堂(特に内部)が派手、プロテスタントは地味
・祭壇(アプス)は東端とした東西方向の建築で西側に入口を設けるのが通例
(オリエンテーションという言葉の由来)

グーグル・マップでの場所表示
キリスト教関係
カトリック豊島教会 
豊島区長崎1-28-22

西武椎名町駅と有楽町線要町の中間にある。幼稚園併設で、東側に入口、西側に塔があり、その真下が祭壇になっているようだ。外観は中世風の教会堂とは全く 異なるが、丹精な佇まいの中にもカトリック的な派手さも少々。四角や丸い窓は内部からみると色付きガラスで現代的なステンドグラスになっているようだ。側 面も面白そうだが住宅に囲まれ、外部からはほとんど見ることがでない。


目白が丘教会
新宿区下落合2-15-11

バブテストの教会堂。入口は北側で南側に祭壇があると推定。外観は、特に横側から見ると縦のラインを揃えた窓と鐘塔が美しい。入口側は三角屋根と丸い大き なステンドグラス(推定)とその下の四つの四角い窓のバランスがいま一つ。特に丸窓内の模様が遠目には卍マークの様にも見え、庇が深い屋根と共に和風の感 じが漂う。


小石川白山教会   
文京区白山2-37-3

日本基督教団(プロテスタント)の教会堂。もともとプロテスタントは教会堂に固辞しないのであっさりした形式のものが多いが、日本ではそこそこ目立つ形が 多いようだ。ここも正面からの眺めは結構しっかりしている。幼稚園併設で入口前は広場(運動場)になっている。


東京諸聖徒教会 
文京区千石2-18-4

日本聖公会(英国教会系)の教会堂。幼稚園併設で回りに住宅も立て込んでいるので全体像はうかがえない。中心軸は北東~南西となっており、祭壇は南西側ら しい。出入口は北西角側にあり、その上には小さな特徴的な形の塔が付けられている。



東京カテドラル聖マリア大聖堂 
文京区関口 3-16-15

日本のカトリックの総本山。丹下健三の設計は今も色あせていない。カテドラル=大聖堂=司教座がある教会。内部に立ち入りできるが現在は内部は撮影禁止。 内部は無柱の大空間。教会堂のルール通り東側に祭壇、西側に入口を配する。(正確な東西からはややずれている)。脇に立つ鐘楼もよく見るとすごい。


根津教会 
文京区根津1-19

日本基督教団(プロテスタント)の教会堂。谷中という下町文化の一角にあるのが面白い。大小のポインティッド・アーチを持つ窓が教会堂を特徴付ける。横板 の外壁デザインや丸窓で全体的にはかわいいという印象を受ける。



本郷中央教会 
文京区本郷3-37-9

日本基督教団(プロテスタント)の教会堂。1階に幼稚園併設。正面からの眺めはがっしりとした重厚デザイン。片側に鐘楼を設けるデザインは日本のプロテス タント教会堂の標準パターンなのでしょうか。側面はあまり特徴ないが最上階に並ぶペアのポインティッドアーチの窓が教会堂っぽい。北側入口で南側祭壇と推定。



東京復活大聖堂 『ニコライ堂』
千代田区神田駿河台4-1-3

ギリシャ正教会の教会堂。「復活」とはキリストの復活のことを示す。今は周囲に高層のビルが林立し、遠目には目立たなくなってしまったが、前庭からの眺め の重厚感は変わらない。内部立ち入り可(有料)で、時によっては詳細な説明を聞くことができる。西側入口、東側祭壇の正統派だが、全体構成は腕の長さが同 じ正十字形。その交差部にかかる大ドームも見所。


神田教会 
千代田区西神田1-1-12

カトリックの聖堂。東西に向いていて、入口は南側側面にある。外見からは東西対称形建築のようにみえる。内部を見ていないのでわからないが、もしかすると 祭壇は両サイドに二カ所あるのかも知れない。建物の屋根よりも高い袖壁を立て、より大きく見せようと工夫しているのはカトリックぽい。窓は多いが、全体的 には丸形窓やロンバルディア帯(屋根下の波形)からロマネスク調の感じを醸しだしている。



カトリック築地教会 
中央区明石町5-26

正面は小さいながらもギリシャ神殿風な列柱とその上に三角形のペディメント(写真では分からないが絵が描かれている)を配す。これらは一見石造にみえるが 実は木製モルタル塗りとのこと。内部は狭いながら3廊式。東側祭壇、西側入口の正統派教会堂で、東京カテドラル(関口教会)ができるまではここがカトリッ クのカテドラルだった。イオニア式デザインの門柱も面白い。個人的に一番気に入っている教会堂。内部拝観可。



聖ルカ礼拝堂 
中央区明石町10-1

1933年建築の聖路加国際病院の旧病棟内に日本聖公会付属施設として設置されている。教会堂として独立した建物ではないので少々姿としてはわかりにくいが、施設内礼拝堂にしては窓や塔など外からも大変目立つ特徴ある姿になっている。


東京ユニオン・チャーチ   
渋谷区神宮前5-7-7  
1980年


ゆるやかな優しい カーブが教会堂という用途に合致し、賑やかで、ガラスを多用した現代建築の多い表参道の通りの中でちょっとした落ち着きを与えている

カトリック碑文谷教会   
目黒区碑文谷1-26-24   
1949年


住宅地の中に忽然と現れた大きな教会堂だった。造りは繊細ではないが、軒下の波形のロンバルディア帯や上部の円形の窓等ロマネスク様式ベースの教会堂。南面 が入口で北方向に長い構造を持つ。入口の色彩がちょっとパステルカラーで今一つの感じだが、内部の三廊式構造をイメージさせる3つの入口があり、中には入 場していないが、造りからすると中も雄大そう。「サレジオ教会」とも呼ばれている。



カトリック赤羽教会 
北区赤羽2-1-12    
 1951年


終戦後間もない建築なので碑文谷教会とどうよう古風なスタイリング。当時は遠くからも目立ったそうだ。様式はロマネスクのアイテムとゴシックのアイテムが入 り交じっている。西に入口、東にアプス(祭壇)という常識的な配置。入口面は豪華な作りだが、東のアプス(右写真)はまったくそっけない佇まいでこれも教 会堂建築の一般則通り。



カトリック亀有教会 
足立区東和4丁目3-20    
1991年


現代風スタイルの教会で全体は円形?周囲の縦長のガラス部分はステンドグラスとなっている。三連の窓には三位一体の神・キリスト・精霊の精霊のシンボルの鳩 がたくさん描かれている。入口側には小さい鐘楼塔もあるが、木々が繁っており全体像は見渡せない。大きな幼稚園併設であり、教会堂は幼稚園の付属施設の様に見えてしまう。



日本キリスト教教団西片町教会 
文京区西片2-18-18 
1935年


昭和10年の建築であるが古さは感じさせない。レンガ作りのように見えるが木造らしい。建築様式として特定したものはないが窓はゴシックの尖頭スタイル。正面に設置された大きな道路表示は何とかならんだろうか。


キリスト教以外
湯島聖堂
文京区湯島1-4-25 

聖人・孔子を奉った聖堂。境内には大きな孔子像もあるが、これは新しい。聖堂自体は江戸時代からこの場所に存在している。現在、内部は祈祷所というよりは 孔子やこの聖堂の資料館的な展示になっている。



築地本願寺
中央区築地3-15-1

仏教・浄土真宗の寺院。しかし、全体像はインドのヒンズー教の寺院かキリスト教の教会堂の様なパーツが混じりあっていて、いわゆる「日本のお寺」とは全く 趣を異にする特異な寺院。内部拝観可。



求道会館 
文京区本郷6-20-5

一見、キリスト教会堂の様に見えるが、これは仏教説法(浄土真宗大谷派)の為の建築。 内部は六角堂をコアとしたホール形式となっている。 しかし、エントランスの列柱、ステンドグラス風の窓、バシリカ方式の内部配置等 六角堂を除くと全くキリスト教会堂そのものの様式と言ってもよい。内部の建材やイス、照明等ほとんどの物がオリジナルとのこと。現在は音楽会や講演会のイ ベントに使われているが月に一回程度内部見学会が開催されている。